アシナガバチの巣を撤去した後、巣があった場所を何匹かの蜂が飛び回ることがあります。
これは、巣の外へ餌を探しに出ていた働き蜂が、撤去されたことを知らずに戻ってくるためです。このような蜂は一般的に「戻りバチ」と呼ばれます。
巣を失ったアシナガバチが、すぐに新しい女王蜂を探して別の巣を作るわけではありません。巣の中にいた女王蜂、働き蜂、幼虫、蛹を適切に処理して巣を撤去すれば、その巣の活動は継続できなくなります。
ただし、巣を撤去した時間帯や作業方法によっては、外出していた働き蜂が元の場所へ戻り、数日間飛び回ることがあります。
この記事では、アシナガバチが巣を失った後の行動、戻りバチが現れる理由、見かける期間、駆除後の安全な対処法を解説します。
アシナガバチが巣を失ったらどうなるのか
巣を失った後のアシナガバチの行動は、巣を撤去した時期や、女王蜂と働き蜂のどちらが残っているかによって異なります。
主に次の3つの状況が考えられます。
- 外出していた働き蜂が元の場所へ戻る
- 春の女王蜂が別の場所で巣作りを試みる
- 巣へ戻れなくなった働き蜂が次第に見られなくなる
それぞれ詳しく解説します。
外出していた働き蜂が元の場所へ戻る
昼間は多くの働き蜂が、幼虫へ与える餌や巣の材料を探すために外へ出ています。
その時間に巣を撤去すると、外出していた働き蜂は巣がなくなったことを知らず、元の場所へ戻ってきます。
戻ってきた働き蜂は、次のような行動をすることがあります。
- 巣があった場所を繰り返し飛ぶ
- 軒下や外壁へとまる
- 周辺を旋回する
- 巣があった場所を探す
- 建物の隙間へ入ろうとする
戻りバチは、記憶している巣の位置へ戻ってきます。
そのため、巣だけを取り外しても、しばらくは同じ場所に蜂が現れることがあります。
春に女王蜂だけが残った場合
春から初夏にかけては、女王蜂が1匹で巣作り、産卵、幼虫の世話を行っています。
初期巣だけを落とし、女王蜂が残っている場合は、女王蜂が別の場所で巣作りをやり直す可能性があります。
ただし、必ず同じ場所へ新しい巣を作るとは限りません。
巣を失った時期、女王蜂の状態、周辺環境などによって行動は変わります。
女王蜂の特徴については、アシナガバチの女王蜂の見分け方|大きさ・活動時期・巣作りの特徴を解説をご確認ください。
働き蜂だけでは元の巣を再生できない
働き蜂が数匹残っていても、撤去された巣や巣の中にいた幼虫、蛹を元どおりに戻すことはできません。
働き蜂が新しい女王蜂を探し出し、別の場所で同じ群れを再建するという単純な仕組みでもありません。
巣と女王蜂を含めて適切に駆除されていれば、元の群れは次第に維持できなくなります。
ただし、巣の一部が残っている場合や、壁の中などに本体の巣が残っている場合は、蜂の出入りが続く可能性があります。
巣を失ったアシナガバチはどれくらい飛び回るのか
アシナガバチの巣を撤去した後、巣があった場所を働き蜂が2~3日程度飛ぶことがあります。
ただし、これは巣があった場所で戻りバチを見かける期間の目安です。蜂そのものの寿命を一律に示すものではありません。
戻りバチを見かける期間は、次の条件によって変わります。
- 巣を撤去した時間帯
- 外出していた働き蜂の数
- 巣の大きさ
- 駆除した季節
- 気温や天候
- 女王蜂が残っているか
- 巣や幼虫が残っているか
- 近くに別の巣があるか
日がたつにつれて蜂の数が減っている場合は、外出していた働き蜂が順番に戻ってきている可能性があります。
一方、数日たっても多数の蜂が同じ穴へ出入りしている場合は、次の可能性があります。
- 巣の本体が壁や屋根裏に残っている
- 別の場所に巣がある
- 駆除できていない蜂が残っている
- 建物内部に別の出入口がある
蜂の出入りが続く場合は、巣が完全に撤去されているか再確認が必要です。
戻りバチは攻撃的になるのか
巣を失ったアシナガバチが、必ず興奮状態になり攻撃性が急激に高くなるとは限りません。
ただし、巣を探して周辺を飛び回っているため、人が近づいたり、手で払ったりすると刺される可能性があります。
特に注意したいのは、駆除直後です。
巣を撤去した直後は複数の蜂が戻ってくる可能性があるため、巣があった場所へ不用意に近づかないでください。
戻りバチを見つけたときは、次の行動を避けましょう。
- 手やタオルで払う
- 棒で追い回す
- 至近距離から殺虫剤を噴射する
- 巣があった場所をのぞき込む
- 子どもやペットを近づける
- 洗濯物を近くへ干す
- 駆除直後に巣の跡を触る
蜂が近づいてきた場合は、激しく動かず、ゆっくりその場を離れてください。
巣がなくなった後に別の巣へ合流するのか
一部のアシナガバチでは、他の巣へ移動したり、女王蜂が別の巣を利用したりする行動が研究されています。
しかし、住宅周辺で巣を撤去した後のアシナガバチが、必ず近くの巣へ合流するわけではありません。
また、働き蜂が新しい女王蜂を探し、集団で新しい巣を作ると断定することもできません。
一般家庭で確認できるのは、外出していた働き蜂が巣のあった場所へ戻り、しばらく周辺を飛び回る行動です。
駆除後の安全対策では、特殊な生態を想定するよりも、巣の撤去状況と戻りバチの数を確認することが重要です。
巣を撤去しても同じ場所に再び作られるのか
撤去したアシナガバチの巣が、翌年そのまま再利用されることは基本的にありません。
アシナガバチの巣は1年限りで、秋に誕生した新女王蜂だけが巣を離れて越冬します。
ただし、巣が作られた場所には次のような特徴がある可能性があります。
- 雨が当たりにくい
- 風の影響を受けにくい
- 巣を固定しやすい
- 人や動物が近づきにくい
- 餌や水を確保しやすい
このような場所は、別の女王蜂にとっても巣を作りやすいため、翌年に同じ軒下やその周辺へ新しい巣を作られることがあります。
「古い巣を覚えて戻ってくる」というより、同じ場所が巣作りに適していることが再発の主な要因です。
アシナガバチの巣を撤去した後の対策
巣を撤去した後は、巣の跡を確認し、戻りバチや翌年の再営巣に備えます。
巣があった場所へ近づかない
駆除直後は、外出していた働き蜂が戻ってくる可能性があります。
少なくとも作業直後は、巣があった場所への接近を避け、子どもやペットが近づかないようにしてください。
巣や幼虫を残さない
巣の一部や幼虫、蛹が残っていると、戻ってきた蜂が周辺にとどまる可能性があります。
目に見える巣だけでなく、取り付け部分や周辺まで確認する必要があります。
巣があった場所を清掃する
巣を撤去した後は、巣材や汚れが残っていないか確認します。
ただし、戻りバチが飛んでいる状態で清掃するのは危険です。安全を確認してから作業してください。
必要に応じて忌避処理を行う
巣があった場所や、その周辺へ適切な忌避処理を行うことで、蜂がとどまりにくい状態にします。
薬剤を使用する場合は、製品の使用方法を守り、人、ペット、植物、洗濯物、食品などにかからないよう注意が必要です。
建物の隙間は駆除完了後に塞ぐ
壁の中、屋根裏、換気口などへ蜂が出入りしている場合、駆除前に入口を塞いではいけません。
内部に残った蜂が出口を失い、室内側へ侵入するおそれがあります。
巣と蜂が完全に駆除されたことを確認してから、必要に応じて侵入口を塞ぎます。
自分で巣を落とすだけでは危険
アシナガバチの巣が小さく見えても、巣の裏側や周辺に複数の蜂がいる場合があります。
昼間に巣だけを棒で落とすと、外出していた働き蜂が大量に戻ってくる可能性があります。
次のような巣は、自分で落とさず専門業者へ相談してください。
- 複数の蜂が出入りしている
- 高い場所にある
- 脚立が必要になる
- 室外機の中にある
- 屋根裏や壁の中にある
- 玄関や通路に近い
- 洗濯物干し場にある
- 蜂の種類が分からない
- スズメバチの可能性がある
- 子どもやペットが近づく可能性がある
- 過去に蜂へ刺されたことがある
- 蜂毒アレルギーが心配
巣の種類が分からない場合は、蜂の巣の種類と見分け方|形・色・場所から危険度を判断をご確認ください。
アシナガバチが巣を失った場合のよくある質問
巣を落としたのに蜂が戻ってくるのはなぜですか?
巣の外へ餌や巣材を探しに出ていた働き蜂が、巣が撤去されたことを知らずに戻ってくるためです。
巣の場所を記憶しているため、撤去後もしばらく周辺を飛び回ることがあります。
戻りバチが新しい巣を作りますか?
働き蜂だけで、元の群れと同じような新しい巣を再建するとは限りません。
ただし、春の女王蜂が生き残っている場合は、別の場所で巣作りを試みる可能性があります。
戻りバチは何日でいなくなりますか?
巣があった場所を飛ぶ蜂は、2~3日程度で減っていくことがあります。
ただし、巣の大きさ、季節、外出していた蜂の数、駆除状況によって異なります。蜂の出入りが減らない場合は、巣が残っていないか確認が必要です。
戻りバチがいる場所へ殺虫剤をまいても大丈夫ですか?
蜂が飛び回っている状態で近づくと、刺される危険があります。
薬剤を使用する場合も、周囲の人、ペット、洗濯物、植物などへの影響を確認する必要があります。不安がある場合は、無理に作業しないでください。
古い巣を残すと翌年再利用されますか?
前年の巣が、そのまま翌年再利用されることは基本的にありません。
ただし、同じ場所が巣作りに適している場合は、別の女王蜂が近くへ新しい巣を作る可能性があります。
富山県でアシナガバチの巣や戻りバチにお困りの方へ
アシナガバチの巣を撤去しても、昼間に外出していた働き蜂が元の場所へ戻ってくることがあります。
巣だけを落として作業を終えると、戻りバチが周辺を飛び続けたり、巣の一部が残ったりする可能性があります。
ハチヒーローでは、巣と蜂の状態を確認したうえで駆除と撤去を行い、作業後は無料で戻りバチ対策を実施しています。
また、駆除した場所と同じ箇所に再び蜂の巣が作られた場合は、施工した年の12月31日まで無料で再施工します。
※別の軒下、庭木、物置など、異なる場所に新しく作られた巣は保証対象外です。
巣を撤去した後も蜂が飛び回っている場合や、壁の中など巣が見えない場所へ蜂が出入りしている場合は、無理に近づかずご相談ください。







